背が丸まった姿勢を取る人は、「良く、正しい姿勢を取りなさい。」と、言われたりします。
その際に取る姿勢、本当に正しい姿勢になっていますか?
大体、そう言われた人が取る姿勢というのは、丸まった背を反らす姿勢。
一見丸まった背が伸びたように見えますが、本人はただ辛いだけだと思います。
なぜそうなかというと、「背を反らした姿勢は、正しい姿勢ではないから」なんです。
ですが、本人も周りもあまり気が付きません。
なぜこんなことが起きるかというと、「正しい姿勢を身体が理解していないから」
というのが、一番の理由だと思います。
背骨は、横から見ると綺麗なS字のカーブを描いています。
首の骨は軽く前に曲がり、胸(胸骨の部分)は軽く後ろに曲がる。
そして、腰の骨が軽く前に曲がる。
最近の健康番組なんかでよく見たことがあると思います。
背骨は、このS字のカーブを描くことによって上半身の重さを分散して、支えているのです。
二足歩行が可能な動物は、人間以外に居ません。
それは、このS字のカーブが人間以外にいないからです。
このS字のカーブを描く背骨を持ったからこそ人間は二足歩行が可能なのです。
(蛇足ながら、日光猿軍団の猿もこのS字カーブの背骨を持っています。)
(これは、二足歩行を強制されている為、後天的にS字カーブの背骨を得ています。)
背中が丸まっている方は、たいていの場合このS字のカーブが無くなっています。
S字のカーブを描いていない背骨では、二足歩行や立っていることが辛くなります。
その為、身体の重心が真ん中では無く片方に寄っていきます。
自分で自身を支えられないツタ植物のように身体を捻っていくのです。
でも。
だからといって、正しい姿勢じゃないからといって強引に姿勢を正さないで下さいね。
健康を害したり、長時間同じ姿勢を続けていると、身体の重心は体芯からハズれ、
曲がっていくものなのですから。
健康な人の重心は身体の真ん中にあります。
横になれば、大の字になって寝っ転がり、寝ることができます。
立っていたり、座っていても、凛と美しく背筋が伸びています。
健康だったら、黙っていてもこのような正しい姿勢になるのです。
だって、そうでしょう?
身体に一番無理の掛からない美しい姿勢なのですから。
本来はこの様になるよう、身体は設計されているのです。
人間の身体は本来、動かすように出来ています。
ところが現代社会人は、身体を動かすことはあまりありません。
むしろ、動かないで同じ姿勢で居ることの方が多いです。
ということは、動くように設計されているモノを動かさないように使うわけです。
身体が疲れて不自然な姿勢を取るのが当然だと思いませんか?
正しい姿勢を取る余裕を身体が持てるように、ストレッチや指圧をご利用してみて下さい。